光と木と、ぬくもりと。（兵庫県神戸市）

約33年間大切に住み続けてきた、Nさまご夫妻の自宅マンションのリノベーション事例です。

「結婚するときに親が綺麗にリフォームしてくれたのですが、息子が1歳になったときに阪神・淡路大震災があったんです。震災後はトイレや洗面室の漏水を修理したくらいで、必要最低限の工事だけで乗り切り、『壊れないで』と願いながら磨いて使い続けていました。」（Nさま）

息子さんが独立してご夫妻2人の生活になり、今後の住まいについて具体的に考え始めたそう。当初は浴室のみのリフォームや他の物件への引っ越しも検討されていたそうですが、最終的に自宅をフルリノベーションすることに決めました。

「このエリアでは希望条件に合う物件がなかなか見つからなかったんです。親が近くに住んでいるので、あまり遠くへ行くのも難しくて。管理体制がしっかりしているマンションが良かったのですが、内見した物件の管理は不安定で、やっぱりここに住み続けるのが一番だと思いました。老後を見据えると、この間取りでは暮らしにくいし、使っていないスペースもあったので、思い切って空間を広げて快適に過ごせる住まいにしようとフルリノベーションすることを決めました。リノベーション会社は何社か見に行く予定でしたが、1社目に足を運んだマイリノの担当スタッフの対応がとても真摯で、直感で『ここだ』と思いました。他社には行かず、マイリノにお願いすることを決めました。」（Nさま）

Nさまがリノベーションで目指したのは、ふわっと優しい光が漂い、木のぬくもりに包まれる住まい。設計士には「天然木をたっぷり使いたい」と伝え、床や造作家具に木材をふんだんに取り入れました。

もともと3LDKだった間取りは1LDKに変更し、扉を極力なくすことで回遊性の高い動線を実現しました。リビングから寝室、WIC（ウォークインクローゼット）、水まわりへとつながる空間は、必要最低限の間仕切りのみで、リビングダイニングには区切りの役割を果たす本棚を取り入れました。

「設計士が『本棚にしましょう』と提案してくださり、出来上がったときには、本当に感動しました。本棚には孫の写真を飾り、キッチンで洗い物をしながら眺めて癒されています。本棚に置いたコンポから流れる音楽もとても心地いいです。キッチンは壁付けから二列型に変更し、収納は使いやすさを重視して扉を設けず、必要な食器や調理器具だけを厳選しました。冷蔵庫の位置も使いやすく、レンジフードも掃除しやすくなって、料理が楽しくなりました。」（Nさま）

寝室には、設計士が提案した造作ベッドを採用。WICは扉を設けずにスッキリとした空間を実現しつつ、寝室の窓からの風通しや、中が見えない安心感も兼ね備えています。

「造作ベッドは想像以上にしっかりとした造りで驚きました。まるで自然の中で寝ているような感覚で、寝心地がとても良いんです。WICは扉がないのに隠れている感じが良くて、衣服が目に触れないだけでスッキリしますし、安心感がありますね。」（Nさま）

洗面室は、歯を磨きながらリビングの窓越しに景色を眺められるように洗面台の配置を変更しました。障子は額縁のように見せる工夫が施され、窓の外に広がる木々の緑を楽しむことができます。息子さんからも「雰囲気が変わったね」と好評だそうです。

リノベーションを機に、思い切って持ち物を大幅に整理されたと話すNさま。

「昔で言う嫁入り道具の洋服ダンスが部屋を埋め尽くし、押し入れには大きな5月人形が詰まっていました。一緒に食器棚やサイドボードも手放し、リノベーション前から使い続けているのは、ダイニングテーブル、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、そして衣服だけです。元気なうちに持ち物を整理しておかないと後々大変になると実感し、本当に必要なものだけを厳選しました。いつか使うだろうと思っていても、実際には使わないことが多いんです。物が多いと、あれはどこだ、これはどうなった、と頭の中が物に囚われてしまって疲れるんですよ。今は必要最低限のものだけを持ち、新しいものを購入するときは、壊れたものを手放し、その空いたスペースに収めるようにしています。」（Nさま）

これまでの暮らしで使い切れていなかったスペースを見直し、効率的に活用することで、快適で心地よい空間に生まれ変わりました。ダイニングテーブルを囲んで、お二人で晩酌を楽しむ時間が一番の楽しみだそう。これからも、お二人らしい暮らしがさらに豊かに広がっていくことでしょう。